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レイソルの社長、チーム強化責任者の変遷について

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TOPチームの調子が悪いと責任を問われる声が大きくなるのはサッカークラブの性です。よくフロントという言葉が使われますが、この言葉も実に曖昧ですが…。

このページですが、引っ越す前のBLOG時代から柏の調子が悪いとアクセスが増えるという関係性になってます(また増え始めました)。フロントに物申す前に、レイソルの強化部はどんな体制で運営され、監督交代やチーム編成はどのように決定されているかについて多少なりとも理解してもらいたいということで、過去のリリースや公式の発言録から整理しています。

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柏レイソル歴代社長

レイソルの社長さんは山﨑社長で9人目。
概ね任期は2年~6年となっています。基本は4年でしょうか。日立本社の人事・財務・総務といったバックオフィス部門の方が就任することが多いです。
初代社長の佐藤さんは既に亡くなっていますが他の方はご存命かと。最初に降格した時の小野寺さんや優勝した時の御手洗さんは記憶に新しいですね。

いずれも年齢は就任時の年齢を( )内に記載しています。
佐藤東里  1992年04月01日~
 前日立製作所副社長

柏樹隆   1995年06月09日~
 前日立製作所専務取締役

小林正三郎 1997年06月01日~
 前日立製作所宣伝部長

小野寺重之(55) 2003年03月01日~
 前日立建設設計取締役

河西晋二郎(60) 2007年04月01日~
 前日立製作所執行役常務 秘書室長 兼 本社業務本部長

御手洗尚樹(58) 2011年03月01日~
 ※2011年4月1日付 日立製作所執行役常務/人財統括本部長 就任予定

萩原靖(54) 2013年05月28日~
 前日立製作所人財統括本部付 兼 日立柏レイソル取締役
 2013年4月までは日立製作所人財統括本部勤労部長

瀧川龍一郎(51) 2015年04月01日~
 前日立製作所人財統括本部総務部部長

山崎和伸(57) 2023年04月01日~ ※23年3月22日開催予定の取締役会において正式決定
 日立製作所山崎和伸人財統括本部総務・CRE統括部長
※お名前で検索したところ2022年1月の鹿島建設のインタビュー記事がヒットしたので記載

チーム強化責任者の変遷

Jリーグ昇格以降からチーム強化責任者の変遷を10年史や公式サイトのリリースから洗ってみました。現職の布部さんで分かるかぎり10人目の強化責任者になります。お名前が分かる最初の強化責任者は、名古屋グランパスや清水エスパルスでGMを歴任された故久米さんです。

ちなみに、GMとダイレクターの職務の違いは下記の通り。

GMの担務領域:トップチームに加え、育成組織、スカウト部門、強化部門などもみている。
ダイレクター:トップチームに特化した責任者。監督や選手、スタッフの編成、他クラブとの交渉や契約などの責任を伴う。

レイソルの場合、本部長制だったりGM制だったりと時代によって異なりますので、その都度責任者の役職もダイレクターやGMとなっています。この記事では強化責任者としています。レイソルでGMは久米さん、竹本さん、寺坂さん、現職の布部さんの4人だけです。

◎久米一正
・1994年フロント入り(当時は強化部がなく業務課長だったとレイソル10年史のインタビューに記載あり)
1996年2月:日立柏レイソル取締役強化本部長就任
・2002年12月:取締役ゼネラルマネージャー・兼強化育成部長退任(レイソル公式ウェブアーカイブ)

⇒2002年は最終節まで残留を争っていた。その責任をとって退任されました。(東洋経済にインタビュー記事があります)

◎菅又哲男
2003年1月1日:日立柏レイソルチーム統括部長就任(レイソル公式ウェブアーカイブ)
※2003年1月1日付で「強化育成部」を「チーム統括部」に名称変更
・2005年12月19日:同職退任(レイソル公式)

⇒成績不振(2005年の初降格)の責任を取り菅又哲男チーム統括部長と、宮本行宏強化部長は解任されました。
⇒宮本さんはその後エージェントに転身され、フットステージを起こしています。

◎竹本一彦
・2005年:トップチームヘッドコーチ(12月13日~監督代行)(レイソル公式)
2005年12月19日~:強化部 ゼネラルマネージャー(強化部長兼育成・普及部長)就任(レイソル公式)
・2009年12月10日:強化本部長交代(レイソル公式)

⇒2009年2度目の降格の責任をとって強化部長職を小見さんと交代。

・2009年12月10日~:強化本部 シニアマネージャー
・2013年3月6日:退任(レイソル公式)

⇒小見さんと交代後も竹本さんはシニアマネージャーとしてレイソルに残り2013年3月まで在籍されました。
⇒竹本さんはその後今治のアドバイザーを務めた後古巣ヴェルディのGM、ベレーザの監督を経て現在はベレーザの強化部長を務められています。

◎小見幸隆
・2006年01月06日~:チーフスカウト就任→編成部長(レイソル公式リンク切れ)
2009年12月10日~:強化本部・統括ダイレクター就任(レイソル公式)
・2012年09月30日:強化本部・統括ダイレクター退任
※強化部責任者名を「統括ダイレクター」から「ダイレクター」に変更するとともに「強化部長」職を廃止

⇒強化責任者を吉田達磨さんに引き継ぎ退任。

・2012年9月~10月31日 強化部シニアアドバイザー就任(レイソル公式)
・2012年11月1日:強化部シニアアドバイザー退任(レイソル公式)

⇒小見さんは達磨さんに引き継いだ後わりとすぐに退任されました。

◎吉田達磨
・2011年~:柏レイソル 強化部長
2012年10月1日付 強化部 ダイレクターに昇格、就任(レイソル公式)

⇒達磨さんは2年ほど強化責任者を務めた後監督へ転任されました。

・2015年01月01日:監督就任(レイソル公式)
・2015年10月28日:2015年シーズン限りでの監督退任を発表(レイソル公式)

⇒15年シーズンで柏の監督を退任。2016年はアルビレックス新潟の監督に就任。

◎寺坂利之
・2015年1月17日:スタートミーティングでGMと紹介を受ける(レイソル公式)
・2017年12月15日付:寺坂 利之ゼネラルマネージャーが退任レイソル公式)

⇒寺坂さんは60歳で退任。後任はなし。渡辺 光輝 ダイレクター(43)がトップチームとアカデミーを統括とリリースにあります。

(渡辺毅)
・2014年12月15日:2015シーズンよりダイレクターに就任と発表(レイソル公式)
・2015年シーズン途中:アカデミーの指導に専念(ニッカンスポーツ)

⇒2015年のTOPチーム成績不振で配置換え。強化部が復活し広川氏が部長に、渡辺光輝氏が副部長にと瀧川社長が取材へコメントしています。

(広川邦生)
・2015年10月28日:瀧川社長コメント(ニッカンスポーツ)

吉田達磨監督の今季限りの退任が発表された。吉田監督はシーズン終了までチームを指揮したのちクラブから離れ、渡辺毅ダイレクターはアカデミーの指導に移る。新たな体制としては強化部を復活させ、現在はコーディネーターを務めている広川邦生氏が部長に、渡辺光輝氏が副部長に就任する。

・2016年1月21日:スタートミーティング時 強化部長
・2017年3月30日:細貝選手獲得の囲み取材時 強化部長

◎渡辺光輝
・2015年10月28日:瀧川社長コメント 強化部副部長(ニッカンスポーツ)
・2017年09月19日:渡辺光輝シニアチームコーディネーター就任のお知らせ(レイソル公式)
※10月1日付で組織改正を行い、トップチーム強化部門と、育成アカデミー部門を一体化
・2017年12月15日 渡辺光輝ダイレクターがトップチームとアカデミーを統括(レイソル公式)
・2018年5月25日付(下平さん解任後) TOPチームコーチに追加(Jリーグ公式)

⇒寺坂さんの後任は短命でしたが光輝さん。2018年の下さん解任後不透明に。

◎下平隆弘
・2018年5月13日 柏レイソル監督解任
・2018年5月21日 強化チームダイレクター就任(レイソル公式)
・2018年12月27日 横浜FCヘッドコーチ就任
・2019年5月14日 横浜FC監督就任(昇格)

⇒下さんは監督解任後、すぐに強化責任者の座に。2018年シーズンをもって柏を離れます。

◎布部陽功
・2018年11月22日 ゼネラルマネージャー就任 現職(レイソル公式)

⇒(2018年5月6日に)京都の監督を退任後、(2018年6月より)レイソルでアカデミーコーチをして頂いていました。布部をGMに、というのは昨年秋口に正式に依頼しました。いろいろなクラブを経験していますし、人脈もあるし、何よりも人格者で求心力がある。レイソルには適任の方です。

強化責任者交代のタイミング

強化責任者の最上位者がGMだったりダイレクターだったりと時代によって変わりますが、就任と退任をまとめてみるとこんな感じになります。

久米さん→1996年からGM。2002年の残留争いの責任を取って退任。
菅又さん→2003年から強化責任者。2005年の初の降格の責任を取って解任。
竹本さん→2005年降格決定後にGMへ。2009年の降格の責任を取り、小見さんと交代。
小見さん→2009年降格決定後に強化責任者へ。2012年に達磨さんに引き継ぐ。
達磨さん→2012年秋から強化責任者へ。2015年に監督就任のため退任。
寺坂さん→2015年からGM。(おそらく定年の)2017年末まで勤める。
 ・渡辺毅さん→2015年途中、チームの成績不振で配置換え
 ・広川さん→寺坂さん時代は強化部長。
渡辺光輝さん→2018年から強化責任者(GM)。下平監督解任のタイミングで異動?
下平さん→2018年5月から。監督解任後すぐ強化責任者(ダイレクター)に就任。
布部さん→2018年降格決定後GMに就任。現職。

となっています。

・成績不振(降格や監督交代)時には、チーム強化責任者も一緒に交代することが多い
・組織改正を頻繁に行っており、組織改正はチーム責任者の交代のタイミングで行われることが多い
・元選手以外のいわゆる背広組の方の役職異動や昇格は公開されないことが多い(寺坂さんを除く)


という特徴がありそうです。

イメージはあまりなかったのですが、チーム不振の責任をフロントというか強化責任者がちゃんと負ってきていることが分かります。社長がサッカーの責任を取って交代することはないようです。

2015年に達磨さんが監督になったタイミングで、寺坂GM+渡辺毅ダイレクターの体制になります。この体制は長続きせず、2015年シーズン半ばに渡辺毅ダイレクターが育成年代の方に配置換えになり(リリースなし)、2015年10月に寺坂GM+広川部長+渡辺光輝副部長という体制に変更になっています。2017年に寺坂さんが退任(恐らく定年?)されたタイミングで、渡辺光輝さんが強化部門と育成部門を一体化して統括するポジションにつきました。2018年のフロントとの意見交換会でも壇上で喋っていたのは光輝さんでした。

寺坂元GM。2019年の6月22日。ちょうどJ2での大型連勝が始まった試合日に、ゴール裏が『2017年にGMを退任された元常務の寺坂利之様、柏レイソルをここまで導いて下さり、ありがとうございました。ところで、現在のあなたの責務は何なのでしょうか? 柏市議会でも意見交換会についての話題が出ています。クラブコンセプトを大事にして魅力あるチームになって欲しいと切に願います。』という弾幕を掲げてました。ゴール裏が出すくらいなので何かしら情報を掴んでいる可能性もあるとすると、まだ関与されているのかもしれません。

 

チーム編成はどう決まるのか

チームの編成などはどのように決めているのか。これについては、2017年の意見交換会の議事録に説明がありました。登場人物は当時の役職ですが参考になると思います。

・瀧川さんが社長。
・会社としての柏レイソルの組織は、6名の取締役に1名の監査役、経営企画、強化、アカデミー、営業、運営、総務の部門がある。社員は15名。
・チーム編成などクラブの重要事項を決める最高機関が取締役会。
・6名で取締役会を組織し、クラブの重要決定事項を決定。
・選手獲得などは、広川邦生(2017年時強化部部長)氏、渡辺光輝氏、吉村政彦?氏の強化担当者が起案。
・ゼネラルコーディネーターの吉田憲司氏が全体のコントローラー。

強化担当者で合議して起案、取締役会にて承認されているようです。

歴代監督と歴代強化責任者

歴代の監督と強化責任者の就任パターンをまとめてみました。画像なので 小さいのですが。
歴代監督の就任パターンです。

歴代強化責任者の就任パターンです。

こう見ると、ものの見事に内部での昇格や就任が続いていることが分かります。
一般的には、強化責任者が決まって監督が決まるパターンが多いと思いますが、この場合チーム不振で監督を替えるともれなく強化責任者も替わってしまうという懸念もあります。レイソルでもチームの不振で監督を替えるタイミングで強化責任者も交代というケースが過去は多かったですが、現布部さんはどうも違うようです。

まったく外部からの監督招聘となると、ミルトン・メンデス、アウレリオ、早野さん、石崎さん?、ニカノールさんくらいな気も。良い監督を連れてくる経験が多いクラブではないことが分かります。

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