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2008年9月20日 柏vs鹿島戦の出来事について

2008reysol

自分がJリーグ界隈の処分について丁寧にまとめている理由となるのが2008年9月20日に起きた柏vs鹿島の出来事です。もう15年も前ですね。

この日に起きた出来事に対して、当時のJリーグの処分には納得できませんでした。また、WEBサイトの特性上こうした過去の出来事はどんどん風化されていきます。検索しても語句を細かく丁寧に検索しなければ何が起きたのかにヒットすることさえできず、過去だからという理由でクラブのサイト、Jリーグのサイトでも情報が取れなくなってしまいます。

ということで、2008年9月20日に起きたことについて、2008年9月~10月にかけて書いた記事を1つに再編集し、リンクもWEBアーカイブに張りなおして再公開します。

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何が起きたのか

●日時:2008年9月20日(土)15:04キックオフ
●場所:日立柏サッカー場
●試合:Jリーグディビジョン1第25節「柏レイソルvs鹿島アントラーズ」

●事象:①CKでレイソルの選手を妨害
前半33分。柏メイン側CK時にアレックスさんに旗竿が当たっています。布の部分かポールの部分かはハッキリわかりません。
直後36分。今度は逆のバックスタンド側CK時(キッカーは栗澤さん)に旗を動かしてまで当てに行っています。

アレックスに鹿島サポーターの大旗が当たるシーン

直後の逆側CKの際に大旗が移動してるシーン

●事象:試合中にもかかわらずスタンド通路で大暴れ
試合前からバクスタ側通路を塞いで騒いでました。乱闘というほど大きなことはありませんが、小競り合いは起きていました。試合中にも関わらず、鹿島ゴール裏中央部からもどんどん援軍が走ってました。

自分としては大旗も勿論ですが、所謂コアサポーター同士の乱闘騒ぎではなく、一般の親子連れなど含めた観客に危害を加えようとした出来事はショッキングでした。

Jリーグの理念そのものに対する反対とも思える暴挙だと思えたので。

両チームからの発表(速報)

試合中の選手に対しての妨害行為という前代未聞の出来事が含まれていたため両チーム比較的早く対応しています。

●柏レイソル(ホームゲーム主催チーム)
【9/20鹿島戦】試合中のプレー妨害について(柏公式 9月20日発表)
【9/20鹿島戦】試合中のプレー妨害への処分(柏公式 9月21日発表)
ファン、サポーターの皆様へ(柏公式 9月21日発表)
【9/20鹿島戦】試合中のプレー妨害への追加処分(柏公式 9月27日発表)

●鹿島アントラーズ(アウェイチーム)
柏レイソル戦でのトラブルについて(鹿島公式 9月21日)
トラブル再発防止を呼び掛け(鹿島公式 9月25日)
柏レイソル戦のトラブルに関する追加処分及び清水エスパルス戦以降の対策について(鹿島公式 9月26日)

結果として、速報段階では
→鹿島サポーター2名(アレックスと栗澤に旗竿を振り回した人物)がホーム、アウェイにかかわらず公式戦無期限の入場禁止
→鹿島サポータに対して、ホームゲーム、アウェイゲーム問わずすべての試合において最前列での旗を使用しての応援を禁止※
→鹿島ホームゲームでの最前列警備の強化最前列での旗を使った応援の禁止(ホーム、アウェイ問わず)※

という処分が下されました。
※現在鹿島アントラーズは、1階スタンド最前列での大旗の使用を下記の条件にて認めています。
・鹿島アントラーズサポーター→最前列での大旗の使用は事前登録制とする。
・ビジタークラブサポーター→大旗の使用については指定エリアにおいてのみ使用可能とする。
・大旗の定義…一般販売されているLフラッグ(1,015mm×1,575mm)より大きい旗のことを指す。

中継ではっきり確認できた大旗周りの処分、対応が先行されました。

鹿島のサポーターズミーティング

上記処分を含む一連の流れもあり、鹿島側では、安全で快適なスタジアム作りの一環として、チームと中心部のサポーター、一般サポーターとの間でサポーターズミーティングを開いています。

サポーターズミーティング開催について(鹿島公式 10月4日)
サポーターズミーティング議事録掲載のお知らせ(鹿島公式 10月14日)
サポーターズミーティング議事録(鹿島公式 10月14日)

議事録は鹿島公式サイトには残っていませんのでWEBアーカイブへのリンクを貼りました。
(2020年3月にドメイン変更に伴うサイト移行があり2015年以前の記事は閲覧できなくなっています。)

議事録が6ページに渡るので関連しそうな部分のみ一部です。興味ある方は上のリンクから読んでみてください。

コールリーダー:ただ、クラブを愛する気持ちは、色々ご意見あると思いますが、一番熱いのがインファイトだと思っております。ただ、たまにそれが違った方向に出てしまうこともございますが、熱い気持ちは皆様と同じです。

大東:小競り合いの件ですが、私が聞いた限りでは双方で話がついて、決着したということを聞いております。いずれにせよ、因縁があったのは以前からのようです。試合後、千葉県警が来てしまいました。いずれにせよ、原因究明まではいかないですが、幕を引いたと聞きました。

鈴木(貞):アウェイに関して我々が何かを言うことは非常に難しいのです。あちらのセキュリティーと一緒になって話し合いをしないといけません。ハード面に関してあちらのスタジアムをどうするかなどはあまり言えることではありません。アウェイの時は、あちらのクラブと努力するだけしかありません。そういう約束しかできないと思います。

コールリーダー:アルコールが入って絡まれたりすることは多々ある。自分から行くことはないのですが、それでも相手が来た場合は仲間を守るしかない。知らんぷりはできません。仲間意識が強いから大問題になることもあります。暴力事件はいけないのはみんな分かっています。ただ、そういうことが起きることも理解して欲しいと思います。

大東:今のコールリーダーの話(直前の和解したという話)についてですが、暴力行為や報復行為が正当化されることは絶対に許しません。クラブとしては承諾しません。どういう状況でも暴力行為は止めるべきです。クラブを代表して言いたいと思います。暴力行為に正当な理由はありません。

あの日旗竿以外に何が起きていたか

読売新聞には10月29日にかなり丁寧な取材記事が掲載されました。残念ながら新聞は過去記事を簡単に拾えないため、引用ですが紹介します。

柏-鹿島戦サポーター乱闘 女性・子供を威嚇(10月29日読売朝刊)

Jリーグでサポーターの騒動が起きた9月20日の日立台柏サッカー場での柏-鹿島戦。サポーターが旗で選手のプレーを妨害するという前代未聞のトラブルだったが、その影で散発的に続いた小競り合いも、欧州などでのフーリガンの暴走を思い起こさせるほど深刻なものだった。

■酒盛り
騒ぎは試合開始2時間前から起きていた。鹿島サポーター約20人が、入場ゲート付近で車座りになって酒盛りを始めた。別のグループは柏サポータに罵声を浴びせ、通行を妨害。警備員らの注意をよそに、威嚇の矛先は女性や子供にも向けられた―-。今回の騒動後、Jリーグに柏が提出した報告書には、緊迫した状況が生々しく記されている。ある関係者は、「従来(のトラブル)は試合が白熱し、サポーターの感情が高ぶって起きたが、今回は根本的に違う。もはやサッカー場ではなく事件現場だ。」と語る。試合そっちのけで酒盛りを続けた一団の中には、係員に「喧嘩をしに来ただけ」と話すものもいた、と報告書は指摘する。関係者は「最初から騒ぎを起こそうという悪意を感じる」とまゆをひそめる。

■対症療法
騒動後、柏は、鹿島側と一部のサポーターの入場ゲートが同じだったことが火種となったとして、敷地内の誘導路に柵を置き、ホーム、アウェー双方を完全に分離する対策を決めた。一方の鹿島は、選手に旗を向けた2人を無期限観戦禁止とし、最前列での旗の掲揚も禁じた。酒盛りの禁止もチラシで呼びかけるようになったが、対策の主眼は、旗によるプレー妨害の阻止にある。「厳格に応援のルールを決めるのはどうか」(大東和美社長)と、サポーターの自主性に委ねたい思惑があるからだ。だが、この姿勢には鹿島サポーターからも批判が飛ぶ。(10月)13日にフロントとサポーターが意見交換した会合では、「小競り合いのほうが根は深い」「対症療法に聞こえる」との声が出た。

■応援活動禁止も
他のJクラブを見ると、サポーターがペットボトルを投げて川崎サポーターを負傷させた浦和は、10月の2試合で投げ込みを封じるネットを設置。浦和戦でサポーター同士が衝突したG大阪も、サポーターグループを活動禁止とした。J史上最悪とされた2005年の柏-名古屋戦の乱闘事件でも、柏がグループを活動禁止にしている。そこにはクラブ自らが、事前に問題の芽を摘み取ろうという強い姿勢が見える。鬼武健二チェアマンは21日、「(J創設15年が過ぎ)気が抜け、慣れすぎた。われわれは(処罰を)やるだけでいいのか。再発防止をもっともっと訴えていかないといけない」と言及した。今回の騒動は今後、Jリーグ裁定委員会で処分が決まるが、それだけでは、同じことが繰り返されかねない。サポーターのモラルに依存する「性善説」(鹿島幹部)では、もはや問題は解決しない。(青柳庸介)

柏からJリーグに提出した報告書では、旗竿事件以外にも言及され、あの日何が起きていたかをかなり細かく記してあったことが伺えます。当時の鬼武チェアマンもかなり強いコメントを出していました。

 

ですが…

 

Jリーグが出した処分

大本営が発表した処罰は言葉を選べば拍子抜けもいいところ、再発防止には程遠い内容の処分を発表しています。大旗の件だけを処罰として、サポーターの小競り合いについては不問とした処分を下しています。この時代のJリーグは我那覇さんの件といいい本当に酷いガナバンスです。

日立柏サッカー場における危険行為トラブルの件

(1)制裁の種類および内容等
当該クラブ   柏レイソル
1. 制裁の種類および内容 : 譴責(始末書提出)
制裁金 200万円
2. 適用条項  :
『Jリーグ規約』第148条〔チェアマンによる制裁および調査〕第1項
『Jリーグ規約』第149条〔制裁の種類〕第1項第1号、第2号
『Jリーグ規約』第159条〔2,000万円以下の制裁金〕第9号

当該クラブ   鹿島アントラーズ
1. 制裁の種類および内容 : 譴責(始末書提出)
制裁金 100万円
2. 適用条項 :
『Jリーグ規約』第148条〔チェアマンによる制裁および調査〕第1項
『Jリーグ規約』第149条〔制裁の種類〕第1項第1号、第2号
『Jリーグ規約』第160条〔1,000万円以下の制裁金〕第5号

(2)違反行為の内容
2008年9月20日(土)日立柏サッカー場にて開催されたJリーグディビジョン1第25節「柏レイソルvs鹿島アントラーズ」において鹿島サポーターによる大旗を使っての試合妨害行為並びに選手に対する危険行為トラブルが発生する事態となった。

主管クラブとして柏レイソルの事前・事後の対応は評価できるところが多いが、鹿島アントラーズサポーターに禁止行為である「最前列での大旗の使用」を制止する措置を講じることができず、選手等の安全を確保できなかった。

また鹿島アントラーズは、主管クラブである柏レイソルより事前に注意を受けていたにもかかわらず、禁止されている最前列での大旗の使用を制止することができなかった。選手等の安全を確保できなかったことの一因に、鹿島アントラーズのホームクラブへの協力が不足していたことがある。

大旗を用いての選手に対する危険行為は、試合が一時中断された他、その様子は報道機関により取り上げられ、サッカースタジアムが危険であるとの印象を社会に与えてしまったことの責任は大きい。

 

自分は柏が好きなので、2008年の出来事を[柏が被害者側の立場]として話を書いていますが、2005年には[柏が加害者側]となって名古屋サポーターと乱闘した事件もあります。柏がとか鹿島がとかではなく、何かあると暴力でもって、最近では言葉の力でもって従わせようとするのはあってはならないことです。

と同時にこうした出来事をきちんと新しい方々にも伝えていく必要があるのかなとも思います。

コメント

  1. pinman より:

    はじめまして。
    少々前のエントリーに対するコメント失礼致します。
    自分は東京サポなのですが、友人の柏サポから鹿島戦の一件での署名活動の事を教えてもらい、全貌を分かりやすく扱っていた貴ブログの、このエントリーにリンクを貼らせていただきました。
    http://pinman.blog98.fc2.com/blog-entry-90.html
    もしも不都合があれば、すぐにリンクを削除いたしますので連絡いただければ幸いです。

  2. 管理人 より:

    まいど。狸サポさん。
    こんなブログまでようこそおいでなりました。
    つ且
    ま、新聞のコピペですがどうぞ。

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